カテゴリー別アーカイブ: 税務

医療費控除の添付書類

医療費控除に必要な添付書類にバリエーションが増えました

確定申告の際に医療費控除を受ける場合、医療費の領収書を添付していた方が多かったと思います。

医療費の領収書の枚数が多いと、提出するためにまとめるのが手間であったりもします。

また、原本を提出する場合、手元に残しておきたい場合は、すべてコピーをとる必要がありました。

H29年分からは、「医療費の領収書を添付」以外にも、「医療費の明細書を添付」「医療費通知を添付」とバリエーションがふえます。

医療費の明細書を添付とは

「医療費の明細書を添付」とは、国税庁所定の明細書に、必要事項を記載し、確定申告書に添付することです。

この場合、医療費の領収書は提出不要となります。ただし、5年間の保管は必要です。

医療費通知を添付とは

「医療費通知を添付」とは、健康保険組合等から郵送される「お知らせ」を、確定申告書に添付することです。

ただし、1月から12月の1年分すべての医療費を反映した「お知らせ」が、確定申告期限までに手元に届かない可能性もあります。

その際には、反映されていない月の医療費については、上記の医療費の明細書を作成し、「お知らせ」と「医療費の明細書」の両方を添付することになります。

H32年分からは領収書添付はできなくなります

H32年分の確定申告からは、医療費控除を受ける際には、「医療費の明細書を添付」「医療費通知を添付」の一方もしくは両方となり、「医療費の領収書」の添付又は提示はできなくなります。

 

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当該投稿内容は、投稿者個人の意見に基づくものです。また、個々の実情を考慮すると異なる判断、結果となる可能性もあります。そのため、当該投稿内容を利用されたことで生じた直接的・間接的損害については、一切責任を負うものではありません。

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30万円未満の資産の損金算入

30万円未満の資産につき、損金算入できる期間が延期されます

中小企業者等が、取得価額30万円未満の資産を取得した場合、資産を損金に算入できる特例があります。

平成28年度の税制改正により、この特例の適用期間が平成30年3月31日まで延長されました。

 

対象となる中小企業者等とは

この特例の対象となる「中小企業者等」とは、青色申告法人である中小企業者(*1)又は農業協同組合等で、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人を言います。

(*1)中小企業者とは、下記①②の条件を満たす法人です。

①資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人。ただし、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人及び同一の大規模法人(*2)に、発行済株式又は出資の総数、又は総額の2分の1以上を所有されている法人を除きます。また、2以上の大規模法人(*2)に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている法人を除きます。

(*2)大規模法人とは、資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

②常時使用する従業員の数が1,000人以下

 

従業員1000人以下の判定時期

従業員1,000人以下の判定時期については、原則として、資産を取得し事業の用に供した日時点で判断することになります。

ただ、同一事業年度内で、従業員数に変動がある場合、資産を取得し事業の用に供した日時点の従業員数を都度把握するのが事務的に煩雑な場合もあります。

そのため、事業年度終了の日の現況によっても判断することが可能となっています。

 

資本金1億円以下の判定時期

資本金1億円以下の判定時期については、資産を取得し事業の用に供した日時点で判断することになります。

もし、同一事業年度内で資本金の金額に変動があった場合、仮に事業年度終了の日において、資本金1億円以下であったとしても、資産を取得し事業の用に供した日時点で資本金1億円超であれば、適用はできません。

 

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配当所得につき、所得税と住民税で異なる課税方式を選択できます

配当所得の確定申告と住民税

上場株式の配当所得等は、所得税の確定申告の際、「分離課税」か「総合課税」を選ぶことができます。

今までですと、所得税の確定申告書によって、個人住民税も決定されていました。

つまり、配当所得につき、確定申告にて「分離課税」を選択した場合には、配当所得を含まない所得にて、住民税や国民健康保険料が決定されていました。これに対し、配当所得につき、「総合課税」を選択した場合には、配当所得分の源泉所得税が還付される可能性がある一方、配当所得を含む所得にて、住民税や国民健康保険料が決定されていました。

 

確定申告と住民税で、異なる課税方式が選択可能に

平成29年度改正にて、確定申告と住民税で、異なる課税方式が選択できることが明確化されました。

そのため、確定申告では、配当所得につき「総合課税」を選択し、配当所得分の源泉所得税の還付を受けつつ(還付が受けられるかどうかは所得金額にもよりますが)、住民税については、「分離課税」を選択し、配当所得を含まない所得にて住民税や国民健康保険料を計算することも可能となります。

 

確定申告と住民税の異なる課税方式選択の要件は

確定申告と住民税で、異なる課税方式を選択するには、6月上旬頃までに、確定申告書の提出とは別に、「個人住民税の申告書」を市町村に提出する必要があります。

 

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特別徴収税額決定通知書に個人番号が記載される予定です

「特別徴収税額決定通知書」(特別徴収義務者用)について

毎年5月31日ごろまでに、市町村から会社等に届く「特別徴収税額決定通知書」(以下決定通知書)は、従業員から預かる住民税額を知らせる書類です。

会社には、従業員用(納税義務者用)と、会社用(特別徴収義務者用)が届きます。

 

平成29年度分から、会社用の決定通知書には、個人番号が記載される予定です。

平成29年度分より、会社用の決定通知書には、従業員の個人番号が記載される予定です。

個人番号が記載されるということは、会社用の決定通知書に対して、漏えい等を防止するため、保管管理上の安全対策を講じなければなりません。

 

決定通知書より入手した個人番号を、他の事務で使用する場合には

決定通知書に記載されている個人番号を、他の事務(源泉徴収票作成など)にて利用する場合には、下記の3点が必要です。
①決定通知書(特別徴収義務者用)から取得した個人番号であると、取得経路を明確にすること
②個人番号の利用目的を特定すること
③本人に①②を通知又は公表すること

 

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セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制とは

平成29年1月1日より、セルフメディケーション税制が施行されました。
ドラッグストア等で購入した医薬品につき、一定の条件のもと、控除が受けられる制度です。

平成29年分の確定申告から、適用可能です。

内容は、「スイッチOTC医薬品」を購入し、その購入金額が年間1万2千円(税込)を超える場合は、超える部分の金額につき、その年の総所得金額等から控除できるものです。控除の上限は、8万8千円(税込)です。

購入金額は、自己のみならず、自己と生計を一にするもの、つまり配偶者などの家族分も含めることができます。

適用を受けるには、「一定の取組」が必要です

セルフメディケーション税制の適用を受けるには、その年に「一定の取組」を行うことが要件となります。
「一定の取組」とは、下記の健康診断等を受けることです。

①健康保険組合や市町村国保等が実施する健康診査
②インフルエンザワクチン等の予防接種
③勤務先が実施する定期健康診断
④メタボ検診
⑤市町村が実施するがん検診

上記検診につき、いずれか一つを受ければよく、また、確定申告する本人のみが受ければ足ります。
なお、任意で受けた全額自己負担の健康診断等は「一定の取組」には含まれません。

対象となるスイッチOCT医療薬の見分け方

対象となるスイッチOCT医療薬については、商品パッケージに識別マークが付けられています。
また、ドラッグストアでの購入時のレシートには、「★」といったマークが付されています。

確定申告の際の必要書類

平成29年分の確定申告にて、このセルフメディケーション税制を適用する場合、必要となる書類は下記のとおりです。
①スイッチOCT医療薬の購入レシート
②「一定の取組」を行ったことの証明書類

上記①のレシートですが、ネット等で購入した場合、自宅でプリントアウトした領収書は、認められません。
ネット販売の会社に、発行を依頼する必要があります。

上記②の「一定の取組」を行ったことの証明書類とは、領収書や、診断の結果通知表を言います。
なお、結果通知表については、コピーでよく、また、診断結果部分を黒く塗りつぶして提出してもかまいません。

医療費控除と併用は不可です

このセルフメディケーション税制と、以前からの医療費控除とは、選択適用となります。

 

 

 

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電子保存の承認得ていない場合は、帳簿等の紙保存は必須です。

電子保存の事前承認

税務署長の承認を得れば、仕訳帳・総勘定元帳の帳簿、決算書等は、電子データを保存していれば、あえて紙に打ち出して保存する必要はなくなります。

ただし、この承認は、紙による保存に代えて電子データの保存を行う日の3か月前までに、承認申請書を税務署長に提出する必要があります。

承認得ていない場合は、紙保存必須です

クラウド会計にて、ペーパーレスが進んでいますが、上記の承認を得ていなければ、帳簿や決算書等は、紙に打ち出して保存しなければなりません。

紙による保存がされていない場合、帳簿・書類の保存義務を果たしていないとして、青色申告の承認が取消され、青色申告特別控除が受けられないおそれもあります。

青色申告の個人事業主の方、ご注意ください。

 

 

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平成29年分の扶養控除等申告書のマイナンバー記載を省略するには

扶養控除等申告書のマイナンバー欄に、毎年マイナンバーを記載してもらった場合、毎年本人確認が必要となります。そして、マイナンバーが記載された申告書には、安全対策を施さなければなりません。毎年受け取る申告書に対し、本人確認手続きおよび安全対策が必要となれば、費やすコストは多大なものになります。

しかし、マイナンバーが記載された平成28年分申告書を提出されており、その申告書自体もしくは申告書に基づく情報を帳簿として保管している場合には、29年分のマイナンバー記載を省略できます。

平成29年分扶養控除等申告書のマイナンバー記載省略の要件

①「平成28年分申告書を提出」の申告書とは?

以下の申告書のことを言います。

・給与所得者の扶養控除等申告書
・従たる給与についての扶養控除等申告書
・退職所得の受給に関する申告書
・公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

②「申告書自体もしくは申告書に基づく情報を帳簿として保管」とは?

 

申告書に基づく情報とは、申告書提出者本人、控除対象配偶者、控除対象扶養親族等の下記事項を言います。

・氏名
・住所
・マイナンバー
・帳簿作成の根拠となった申告書の名称
・申告書の提出年月日

提出された平成28年分申告書自体を綴って提出年月日を記載し帳簿を作成、もしくは上記の情報を記載し帳簿を作成し、保管(情報漏れがないよう、施錠等の安全対策の対象となります)すればよいということになります。

マイナンバー等の特定個人情報の記載された書類は、安全対策の対象になりますので、極力少なくしたいものですね。

 

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